2010.07.07 Wednesday

基礎断熱のシロアリ対策についてお問い合わせをいただきました。

私が接客したお客様から、以下のようなお問い合わせメールをいただきました。


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マツシタホームの電気蓄熱・全館床暖「ecot」仕様では、基礎断熱(外張り)を採用されていますが、
基礎コンクリートと基礎断熱材の間がシロアリの蟻道に非常になりやすく、
基礎断熱工法を取った建物でシロアリ被害が非常に多いという事実があるようです。

−−−中略−−−

素人考えかもしれませんが、外断熱/内断熱どちらにせよ、
侵入の有無を確認するためには、ただ床下をチェックするだけでなく、
断熱材を剥がす必要があると思えます。

マツシタホームさんのシロアリ対策についての考えをお聞かせください。

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こんな内容のメールで、私が回答したんですけど、

ちょっと迷惑なくらいの長文メールで返信してしまいました。



・・・でも、せっかくだから、このブログにも掲載させていただきます。




※以下は、ほぼ私が送ったメールの原文のままです。



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◆シロアリ対策について


基礎断熱工法を採用したときにがシロアリの蟻道になりやすいことについては、

この業界に入ってすぐの20年以上前から、業界常識として理解しています。

 

 

 

ちょっと話が長くなって申し訳ありませんが、

経緯からお話しさせていただきます。

 

 

16年前、不動産会社を経営していた私は、

一部門として注文住宅事業を年間3040棟手がけていましたが、

注文住宅への完全な事業転換を決断し、準備をしていました。

 

注文住宅の新会社を設立するために、

企業理念やビジネスモデルの検討をし、

どんな家づくりを目指すのかを検討していました。

 

 

それが、今の「マツシタホーム企業理念」そのものであり、

マツシタホームカタログやホームページに掲載している、

「マツシタホーム独自のビジネスモデル」なのです。

 

 

マツシタホーム企業理念

http://www.mhome.jp/corp.html

 

「日本住宅革命」

最高の家をあなたにお届けするための、マツシタホーム独自のビジネスモデル

http://www.mhome.jp/concept/index.html

 

 

 

そして、企業理念から、

具体的にどんな家を供給していくのかという検討をしていったわけですが、

断熱性能については、「高気密高断熱」の住宅を目指していこうということに
なりました。

 

以下はマツシタホー企業理念からの抜粋ですが、

赤字で示した部分などが、その理由になります。

 

 

---マツシタホーム企業理念より抜粋【その1---

住まいは、人生の非常に長い時間を過ごす場所であり、
安全で、快適で、健康的に過ごせるものでなくてはならない。
また、
環境と調和・共生できる住まいでなくてはならない。

 

 

---マツシタホーム企業理念より抜粋【その2---

そこに住むご家族にとっては、
現在も、将来も、あらゆる不安の少ない
(災害、事故、病気、経済的、精神的不安など
安心できる住まいであるべきである。

 

 

高気密高断熱住宅が、経済的であり、
環境負荷が少ないことはわかっていただけるのではないかと思いますので、

病気や事故、精神的不安の心配が少なく、健康的に過ごせて、安全である理由に
ついては、
以下のブログを読んでいただければ、その一端がわかると思います。

 

2010.06.23松下社長ブログ

【断熱と健康の関係】 断熱グレードと疾患改善率 & 断熱投資回収年数

http://mhome-syatyou.jugem.jp/?eid=703#sequel

 

 

 

16年前の話に戻ります。

 

そして、私は高気密高断熱住宅を志向し、

当時、主要取引先だった上場企業で北海道本社の建材商社、螢ワザワの協力で、
北海道の住宅会社を次々訪問し、(多いときには月に3回、北海道に通いました)

高気密高断熱の研究をしていました。

 

 

その当時、基礎断熱の現場を多数見学し、

「北海道にはシロアリがいないから大丈夫なんです」

このような話を何度か聞きました。

 

しかし私は、地球温暖化の影響か、

北海道でもほんの一部ではありますが、シロアリ被害が出始めていることを知っていたので、

疑問に感じて、徹底して調べてみました。

 

 

そうしたら、その当時既に、本州を中心に、

基礎断熱を施工した現場でシロアリ被害が続出していて、

一部では、北海道でもそのような被害が出てきているということが判明しました。

 

 

そこで、その後、マツシタホームで基礎断熱をはじめた約10年前、

基礎断熱は、ベタ基礎の内側に施工する方法を取っていました。

 

 

 

【注】日本の住宅には、もともと断熱材はなく、

その当時は、断熱材を入れることは当たり前になっていたものの、
(ただし手抜きも多かった)

正しい断熱工法、施工という観点では、

当時の国内では、北海道だけが断熱先進国で、本州は、東北を含めて、

まったく断熱工法が確立されていなかったと思います。

(今は正しい断熱工法は確立されているものの、きちんと理解している会社は一部)

 

 

ちなみに、その後、数年して、

住宅金融公庫の共通仕様書に、基礎断熱の基礎内側施工が掲載されました。

 

 

 

 

ところで、私は、基礎コンクリートの蓄熱量を考えると、

本当は、基礎コンクリート外側に断熱剤を施工したいと考えていて、

アメリカには防蟻の断熱材があるのに、
なぜ、日本では発売されていないんだろうと考えていました。

 

 

実は、アメリカの防蟻断熱材は一部輸入されていたし、

建材のショーなどで何度も資料をもらったりはしていたのですが、

私の方針として、性能上、重要な建材については、

保障体制やアフターサービス体制が整っている大手メーカーの建材のみを
使用する方針のため、
そのようなメーカーが発売することを待っていたのです。

 

 

 

そして、それが現実となったのが、確か45年ほど前だったと思いますが、

発売になった防蟻断熱材が、「スタイロフォームAT」です。

 

 

発売したのは、

世界最大の化学メーカー、ダウ・ケミカルと住友化学の共同出資の会社で、
ダウ加工株式会社。

 

 

国内でもXPS(押し出し法ポリスチレンフォーム)の代名詞になっているスタイロフォームで、

ボード系断熱材(他には発泡スチロールや旭化成のネオマフォームなど)では、

もっとも有名で信頼のおける断熱材メーカーです。

 

ウィキペディア「ダウ・ケミカル」 ※ダウ加工も出ています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%BB%E3%82%B1%E3%83%9F%E3%82%AB%E3%83%AB

 

ウィキペディア「発泡スチロール」 ※XPSやスタイロフォームのことが出ています。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BA%E6%B3%A1%E3%82%B9%E3%83%81%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%AB

 

 

 

スタイロフォームATの紹介ページです。

 

 

ダウ加工蝓.好織ぅ蹈侫ームAT紹介のページ

http://www.dowkakoh.co.jp/product/styrofoamAT.html

 

ダウ加工蝓.好織ぅ蹈侫ームAT防蟻試験のページ

http://www.dowkakoh.co.jp/product/styrofoamAT2.html

 

スタイロフォームATを紹介したSHS住宅のページ

http://www.west-shs.com/shs/styroformAT.html

 

 

 

しかし、結果的には、スタイロフォームATは採用しませんでした。

 

 

最初に考えたのは、
ダウ加工蠅蓮非常に商品信頼性の高いメーカーと考えていますが、

日本では、まったく新しい商品なので、

まずは、発売後すぐには採用せず、しばらく様子を見て、
業界の評価を見てから採用しようと考えました。

 

 

経過観察後、スタイロフォームAT自体の製品には問題がなかったようで、

業界誌の実験結果でも問題ないとの評価が出たし、

発売後2年くらいだったかで、
スタイロフォームATを採用した建物の防蟻保証をはじめたと聞きましたので、

会社として保証できるというレベルまで信頼性が高まったのだと思います。

 

 

そこで、スタイロフォームATの採用を検討したのですが、

マツシタホームが結果的に採用したのは、

大日本木材防腐とINOACが共同開発した、

「サーマックスDMB」です。

 

 

こちらを採用した決め手は、

大日本木材防腐は、国の重要文化財も手掛ける防蟻薬剤メーカー(上場企業)で、

基礎断熱材だけでの保証ではなく、(ここがスタイロフォームATとの最大の違いです)

床下の防蟻措置+基礎の防蟻断熱材+木材の防蟻措置をセットで、

責任施工業者のピコイ蠅箸箸發吠歉擇靴討い襪海箸任后

 

 

スタイロフォームATでは、万が一、シロアリの食害が発生した時に、

シロアリの侵入経路がどこかでもめる可能性があると考えました。

 

 

 

大日本木材防腐 ホームページ

http://www.d-m-b.co.jp/index.html

 

INOAC ホームページ

http://www.inoac.co.jp/ja/index.html

 

ピコイのホームページ

http://www.picoi.co.jp/index.html

 

サーマックスDMBのページ

http://www.inoac.co.jp/kenzai/sm_dmb.html

 

サーマックスのページ

http://www.inoac.co.jp/kenzai/index.html

 

 

※大日本木材防腐は、以下「DMB」と略します。

 

 

基礎断熱の物件を、大日本木材防腐とピコイの共同で保証する条件は、

  床下(基礎下)を薬剤処理(DMBの薬剤)するか、
防蟻シート(DMB製品)を施工するかのどちらか

  サーマックスDMBを施工する

  G.L.(地盤面)より高さ1mまでの木材をDMBの薬剤でピコイが防蟻処理を
責任施工する

 

 

以上、この3つが条件ですが、

マツシタホームでは、保証条件とは関係なく、さらなる安全を考え、

DMB製品の「モクボーシャッター」を採用しています。

 

 

この、「モクボーシャッター」はグラスファイバーシートで、

基礎コンクリートと断熱材の間を上がってくるシロアリが
物理的に土台にたどりつけないよう、

基礎コンクリートと断熱材の上の部分(基礎天端)に、
グラスファイバーシートを施工しています。

 

 

グラスファイバーは、シロアリは食い破ることができない材料のため、

土台の下、基礎の上部に挟み込まれ、建物全体の重量が土台にかかるため、

シロアリは物理的に中に入れません。

 

 

あと、,量剤処理か、防蟻シートかという件については、

マツシタホームでは、防蟻シートを採用しています。

 

 

これは、床下(基礎下)の防蟻措置は、新築時のみで、再施工ができないところから、

防蟻シートのほうがずっと長期的な効果が期待できるからです。

 

床下薬剤処理は定着が悪く地中に発散してしまうため、
長期的な効果が期待できません。

 

 

防蟻シートは、シートの素材に防蟻薬剤が練りこまれていますので、

長期にわたって効果が持続します。

(ただし、永久的なものではありません)

 

 

 

それから、スタイロフォームATと、サーマックスDMBとの性能の違いについては、

防蟻剤の混入量が、サーマックスDMBはスタイロフォームの数倍の量を混入しているそうです。

 

 

DMBの担当者(部長)は、シロアリの専門屋からすると、

「スタイロフォームATの防蟻剤の量はやや心配」と言っていました。

 

 

ちなみに、保証限度額は2,000万円で設定しています。

(これも通常は1,000万円のところを交渉して2,000万円に設定してもらいました)

 

 

 

 

防蟻薬剤の上場企業が、豊富な経験のもと、防蟻断熱材を開発し、

床下の防蟻措置と、構造などの木材防蟻措置と組み合わせて、

実績ある大手施工店に責任施工の契約で施工させ、保証する。

 

 

保証には、当然、損害保険会社のバックアップが付いています。

 

 

 

これなら、一般的に安心と言えるのではないでしょうか?

 

 

 

では、シロアリの食害が可能性としてゼロなのかというと、そうではありません。

 

 

DMBの担当者も言っていましたし、防蟻薬剤メーカーならみんなそう言いますが、

どんなことをしても、可能性ゼロにはならないと言っています。

 

 

 

しかし、DMBの担当者に、

お客様から、

「マツシタホームの基礎断熱の建物は、
他の工法の建物に比べてシロアリ被害の可能性は高いのか?」と聞かれたときに、

「そんなことはありません」と言えるのかという質問をして、

「そう言っていただいて問題ありません」という答えをもらって採用していますので、

少なくとも、マツシタホームの仕様では、基礎断熱以外の建物と比べてシロアリ被害の可能性が高いということはないと考えています。

 

 

 

他社からのご批判ですが、

誹謗中傷というよりは、知識不足から来るものと考えます。

 

 

実際に多数の被害があったことは事実ですので、

それを見聞すれば、疑問を持つのは当然だと思います。

 

 

 

最後に、通常、防蟻施工業者が、シロアリ被害の調査をするときに、

基礎断熱材をはがしてシロアリの侵入チェックするのは一般的ではないと思いますが、

それはともかく、マツシタホームの場合、基礎コンクリートと断熱材の間を上がって
きたシロアリは「モクボーシャッター」でそのまま土台には行けないので、
仮にそこから上の土台にたどりつくためには、

さらに蟻道を作らなくてはならないため、断熱材をはがすことなく、
目視で確認できると思います。

(基礎の外周、または、床下にもぐって基礎の内側を両方チェックすれば)

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以上、すごい長文メールでしょ。


実は、他にも質問があったので、もう少しこのメールは続くんです。(すみませんでした)



長文すぎて、大変、申し訳ないなあと思いながらメールを送ったのですが、

このような返信が来ました。


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とても分かりやすく、また、納得のいく回答を下さり、ありがとうございました。
 
月並みな表現しか思い浮かばないのですが、
特にシロアリの回答については、感動いたしました。

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・・・・・ああ、よかった♪




私、常に全力投球タイプなので、やりすぎちゃって(今回は書きすぎかも)、


たまに、それにお客様がついてこれなくなってしまうことがあるんです。


(調整しようと心掛けてはいるのですが…)





今回は大丈夫そうな感じですが・・・・・今後は気をつけます。





 
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