2016.12.22 Thursday

なぜ、「エアコンはエネルギーを浪費する」のイメージ?

今日も、エアコンの話しです(ちなみに明日からたてもの紹介に戻ります)。

 

 

 

一昨日と昨日、お話ししたように、エアコンは高効率でエコの優等生なのですが、

 

なぜか、そうは思われていないんです。

 

 

 

建築業界専門誌「日経アーキテクチュア」にそれに関する記事がありましたので、

 

そちらから私なりにまとめてご紹介いたします。

 

 

 

担当記者が、書籍「エコハウスのウソ」(前真之著)の編集作業時に驚いた内容から、

 

「住宅内でのエネルギー消費割合の誤解」について紹介します。

 

 

 

「エコハウスのウソ」(前真之著)「冷房が最大?」の冒頭ページ。

イラストのように、夏の盛りでも「我慢できる限りエアコンを使わない」

という人、多いですよね。(資料:日経アーキテクチュア)

 

 

 

 

そもそもなぜ、多くの人が「エアコンはエネルギー効率が悪い」という

 

イメージを持っているのでしょうか?

 

 

 

まずはこの図をご覧ください。

 

 

 

エネルギーを一番使っていると思う用途のアンケート結果。

東京大学・前真之研究室実施のウェブアンケート

(資料:前 真之、協力:暮らし創造研究会)
 

 

 

東京大学の前真之研究室が実施した、

 

「エネルギーを一番使っていると思う用途」のアンケート結果です。

 

 

 

暖房と冷房合わせて約8割、というのが世の中の平均的なイメージのようです。

 

 

 

だが、実際はこういう割合となっています。

  

 

 

住宅における2次エネルギー消費量の内訳(2012年)。

「家庭用エネルギーハンドブック2014」(住環境計画研究所編)

から引用して作図しています

 

 

 

暖房と冷房を合わせても、住宅全体の消費エネルギーの4分の1強しかありません。

 

 

イメージと実態は大きく違う訳です。

 

 

 

給湯や照明、家電といった普段あまり節約を意識しない用途が、

 

実際には大きな割合を占めているのです。

 

 

 

 

 

冷暖房は「季節限定」要因

 

 

前氏は、このギャップに「エアコンは悪」という風潮の原因があると見ています。

 

 

少し長いのですがそのまま引用しますと、

 

「なぜ冷房のエネルギー消費は少なく、給湯や照明・家電は多いのか?

 

加熱・冷却を必要とする期間と温度に着目すると分かりやすい。

 

冷房が必要なのは夏の限られた期間だけで、1日の中での使用時間も短め。

 

外気が35℃を超えることは滅多になく、室内の温度も25℃より低くはしないから、

 

内外の温度差はせいぜい10℃。必要な場所だけスポットでON することが多いので、

 

冷房する範囲も最小限に抑えられている。

 

一方で暖房の場合は、温暖地でも外気が0℃近くまで下がり、

 

室内外の温度差が20℃を超える日が少なくない。

 

暖房は在室時につけっぱなしにすることが多いので使用時間も長く、

 

冷房よりも多くのエネルギーが必要となる。

 

ただし暖房も冷房と同じく、特定の季節にだけ利用される『季節限定』の用途。

 

消費するエネルギーにはおのずと上限がある。

 

これが給湯になると、夏場でも水を温めずに風呂やシャワーに

 

そのまま使えることはまずないから、年中エネルギーを使って水を加熱する必要がある。

 

照明や家電となれば年中コンスタントに使われる。

 

こうした年間を通して消費されるエネルギーこそが、

 

実はより多くのエネルギーを消費しているのである」(前氏)

 

 

 

住宅の消費エネルギーのイメージ。

冷暖房の期間は限られますが、給湯や照明は通年です(資料:前 真之)。
 

 

 

 

では、数ある冷暖房機器のなかでなぜエアコンが目の敵にされてしまうのでしょうか?

 

 

前氏は2つの理由を推察しています。

 

 

1つは、そもそも「冷房=ぜいたく」というイメージがあることです。

 

 

「クーラーが本格的に普及したのは1970年以降。『昔はできなかったことができる』

 

ようになったという実感が、エアコンを非常に先進的、あるいは不自然なもの、

 

『本当はなくてもよいもの』として強く認識させているのではないだろうか」(前氏)

 

 

 

 

もう1つは、エネルギーの「見せられ方」に起因する誤解です。

 

 

見せられ方とは、月々の「検針票」のことです。

 

 

「家計を預かる主婦(主夫?)は、月々の検針票に目を光らせています。

 

ガスや灯油に比べると電気はエネルギー当たりのコストが最も割高であるから、

 

特にマークされやすい。その電気代が夏場に急に増えることが、

 

冷房エネルギー消費を実態以上に大きく見せている原因ではないだろうか」(前氏)

 

 


住宅における光熱費のイメージ。

夏場に急増する電気代が冷房を大きく見せていると考えられます。

(資料:前真之)

 

 

 

 

 

 

 

「節湯」こそコスパ最強の節約

 

 

こうした実際のエネルギー消費割合を踏まえて、前氏が

 

「コスパ(コストパフォーマンス)重視の人にイチオシの節約行動」と言うのが、

 

給湯の節約です。

 

 

前氏はこれを「節湯」と呼んでいます。

 

 

 

「お湯を使うということは、水を温めるためのガスや電気を使うと同時に、

 

水そのものも使って捨てるということ。

 

だからガス代・電気代のほかに、上水道・下水道の料金がかかってくる。

 

上下水道の代金が、ガスと同じくらいかかる場合も少なくないのだ。

 

ガスと上下水道合わせてシャワー10分80円也となると、

 

モチベーションも高まるというもの。

 

最近では少ない流量で満足できるシャワーヘッドも多く登場し、

 

交換もそれこそ3分程度でOK。

 

まさに比類なきコストと時間の『パフォーマンス』である。(中略)

 

 

 

エアコンやテレビ・照明をいくら頑張って減らしても、

 

結局減るのは電気代だけです。

 

 

 

ガス・電気と水道の両方を一気に削減できる『おいしさ』は、

 

節湯ならではの特権であることは強調しておきたい」(前氏)

 

 

 

 

前氏による節湯の試算。節湯はガス代と水道代が節約され、

1粒で2度おいしい。「節湯」こそコスパ最強の節約行動。

消費量の多い風呂とシャワーをマークせよ!

(資料:前 真之、イラスト:ナカニシ ミエ)

 

 

 

 

 

 

高齢者のエアコン嫌いは熱中症の危険

 

 

それはそれとして、やっぱり「エアコンは使いたくない」という人もいるでしょう。

 

もちろんそれは個人の自由です。

 

 

ただ、高齢者に関しては話は別です。

 

 

冬はエアコンに代わる暖房具が多いのでエアコンなしでもよいのですが、

 

夏はエアコン以外には扇風機くらいしかありません。

 

 

扇風機は体感温度を下げても、空気自体の温度を下げるわけではありません。

 

 

前氏は、高齢者がエアコン冷房を使わないことによる熱中症を危惧しています。

 

 

 

2014年全国における熱中症の発生状況。

住宅において高齢者が熱中症になるケースが多いことが分かります。

(資料:国立環境研究所環境健康研究センター

「熱中症患者情報速報平成26年度報告書」)

 

 

 

「温度・湿度の調整は、単に快適か不快かの問題では済まない。

 

2014年の夏に救急車によって搬送された熱中症患者は、

 

全国で男女合わせて1万人以上に及んでいる。

 

最高気温の上昇とともに人数は増加し、患者の33%は住宅内で発生している。

 

特に高齢者は、体の温熱感が鈍くなっており、

 

また発汗能力が低下している場合もあるので危険。

 

室温の上昇に気付かないまま倒れるケースが相次いでいる。

 

むやみにエアコンを『危険視』する風潮は、

 

こうした健康や命のリスクを冒している」(前氏)

 

 

 

 

前氏が言いたいのは、「エアコンを使わない」ことを前提として

 

「暑さ寒さを我慢する家」や「実は増エネの家」をつくってしまうより、

 

エアコンの性能について知ったうえで「エアコンを効率的に使える家」を

 

つくるほうが現実的だということです。

 

 

 

「エコハウスのウソ」この本の宣伝ではありません!

結果的には少々宣伝してるかもしれませんが・・・

その通り!というところを引用しているだけです♪
 

 

 

 


 
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