2016.12.20 Tuesday

「断熱性能が低いとエアコン嫌いに」【上】

前回の記事は、日経ホームビルダーの記事から紹介いたしましたが、今回もまた、

 

日経ホームビルダー2014年9月号「断熱性能が低いといエアコン嫌いに」からです。

 

 

前回は、原文を載せてから私がまとめましたが、

 

今回は、いきなりまとめに行きます♪

 

 

今日と明日の全2回です。

 

 

 

エアコンは数ある空調機器のなかで、省エネ性能が非常に優れています。

 

 

・・・なのに「風が嫌」「乾燥するから嫌」とか、

 

エアコンを嫌う方もいらっしゃいますよね。

 

 

 

この分野に詳しい松尾設計室(兵庫県明石市)の松尾和也さんは、

 

「エアコン嫌いは、住宅の断熱性能の低さに原因がある」と言い切ります。

 

 

断熱性とエアコンの関係をひも解いてみます。

 

 

 

空調には4大要素があって、エネルギー消費量が多い順に、

 

|繁次↓⇔篷次↓除湿、げ端召任后

 

 

世の中にはたくさんの冷暖房機器がありますが、

 

エアコンはこの4大要素のうち加湿以外の3要素を兼用した超多機能設備です。

※ごく一部の機種では加湿機能も有り

 

 

 

 

空調機器の機能。

エアコンはこの4大要素のうち加湿以外の3要素を兼用しています。 

 

 

 

 

 

 

エアコンは暖房、冷房、除湿の全てにおいて、

 

他の様々な冷暖房設備よりも光熱費が安くあがります。

 

 

3要素全てで1位です。

 

 

 

 

本来なら、これだけ多機能かつ超省エネなエアコンは、超高価でも当たり前です。

 

 

しかし、日本の住宅性能が低いがゆえにニーズが高く、

 

2013年で約900万台も生産されています。

 

 

その量産効果によって6畳用の普及機種なら5万円からと超低価格となっています。

 

 

 

そんな夢の設備機器がエアコンなのです。

 

 

松尾さんはよく講演で「ドリーム空調機」と言っているそうなのですが、


それなのに、人によっては「風が嫌」「乾燥する」「光熱費がかかる」「冷房が嫌い」と

 

悪の権化のごとく嫌っています。

 

 

 

住宅会社にも嫌う人がたくさんいます。

 

 

エアコンをけなす側に立ったほうが一般受けするのだから、本当に最悪の状況です。

 

 

 

 

 

なぜこんなことになってしまうのか。

 

 

ひとえに日本の大半の住宅の断熱や気密の性能が低いからなんです。

 

 

 

 

エアコンの暖気が上昇。気密性能が悪い場合、暖気が出ていき、

代わりに下から冷気が入ってくる(資料;松尾 和也さん)  

 

 

 

 

 

エアコンから出た暖気は軽いので上に行こうとします。

 

 

その暖気は気密性が低いと上階もしくは屋外に逃げていってしまいます。

 

 

下から吹き出しているファンヒーター等であれば

 

体の高さを通り抜けるので暖かさを感じることができます。

 

 

しかし、エアコンの場合は天井に近い位置に設置されるので、

 

暖気が人と交わらずに上がっていきますので、暖かさを実感できないわけです。

 

 

そこで、最近のエアコンでは、超巨大なフラップで、

 

床に暖気を叩きつけるような機種が増えています。

 

 

温風温度は、ファンヒーターの80℃〜160℃に対し、エアコンは50℃くらいなので、

 

温風温度が低いエアコンで室内をファンヒーターと同じくらい温めようとすると、

 

エアコンの風量は多くなります。

 

 

このような理由から「エアコンの風が嫌」という意見が出てきます。

 

 

下から吹き出すファンヒーターの場合はここまでの気流は必要ありません。

 

 

 

ここまでが、断熱性能の低い住宅の話しです。

 

 

 

断熱性能と機密性能が高い住宅であれば、熱が外に逃げませんので、

 

弱運転で部屋全体が暖まりますから温風を体に当てる必要がありませんし、

 

そもそも風量は少なくて良いのです。

 

 

そもそも、強運転しなくてはならないのが間違いなんです。

 

 

それは、家に対して暖房や冷房の能力が不足しているということなんです。

 

 

 

弱運転で、冬は十分な暖かさが得られ、夏であれば冷えるのが、本来で、

 

そうすれば、風も感じることなく快適で、冷暖房費も少なくなるんです。

 

 

 

 

エアコンだから乾燥するというわけではない

 

 

次に「エアコンは乾燥する」という点を検証してみましょう。

 

 

これは、エアコンに限らず、暖房をすると、湿度は下がるんです。

 


なぜなら、この湿度は相対湿度と呼ばれるもので、

 

空気中に含むことができる最大限の水分量に比べた割合です。

 

 

空気は温度が高いほど多くの水分を含むことができるので、

 

同じ水分量でも温度が上がるほど相対湿度は下がります。

 

 

この現象は電気ストーブ、ホットカーペット、オイルヒーターなど、

 

全ての電気暖房器具で起こる現象で、エアコンに限ったものではありません。

 

 


「ファンヒーターなら乾燥しないのにエアコンを使った時だけ乾燥するんです」

 

実はこの感覚は間違っていません。

 

 

煙突が無いタイプのファンヒーター(FF式でないもの)やストーブは、

 

灯油やガスを室内で燃やしますので、空気と火が触れると水蒸気が発生します。

 

 

だからファンヒーターによる暖房は乾燥せず、加湿器もいらないことが多いわけです。

 


これだけ見るとスグレモノに見えますが決してそんなことはありません。

 

 

二酸化炭素と汚染物質も同時に撒き散らすからです。

 

 

6畳間で灯油のファンヒーターを点けたら30分もしない間に

 

二酸化炭素濃度が5000ppmに達します。

 

 

ビル管理法では上限が1000pmと定められており、その5倍にも当たる量です。

 

 

これは眠気を誘発するだけでなく、健康上も問題のあるレベルです。

 

 

だからファンヒーターには「30分に一度換気して下さい」と書いてあるのです。

 


しかしながら、そんなことをする人は少ないでしょう。

 

 

逆に頻繁にそんなことをしていたら、暖房の効率が悪くなります。

 

 

欧米の人からすると、室内に排ガスをそのまま吐き出しているファンヒーターは

 

「車の排ガス自殺」と同じように見えるということです。

 

 

暖炉の煙突が室内に直結されているといってもいいでしょう。

 


これなどまさに、日本の常識が世界の非常識である最たる例であると言えましょう。

 

 

それでもファンヒーター無しでは過ごせないほどの住宅が

 

多くを占めるのが日本の現実です。

 

 

 

 

【下】へ続きます。

 

 

 

 

 


 
calendar
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031   
<< July 2019 >>
最新記事
categories
archives
ブログ内検索
others

(C)Matsushitahome Co.,LTD All Rights Reserved.