2016.10.27 Thursday

"効かない制震"を選ぶな!【その2】

"効かない制震"を選ぶな!【その1】 からの続きです。

 

 

恐れ入りますが、前の記事をお読みいただいてから、読んでいただければ幸いです。

 

 

 

昨日は、表題の記事の紹介に入る前に、制震とは何かをご説明させていただきました。

 

 

今日から、いよいよ日経ホームビルダーの記事を紹介させていただくのですが、

 

日経ホームビルダーの記事中では「制振」という言葉が使われています。

 

 

学術的には、元々地震を含めた振動を制するという意味で「制振」が正しいようですが、

 

最近、大手住宅メーカーのほぼ全てが「制震」という言葉を使用していると思いますので、

 

私は「制震」で書かせていただきます。

 

 

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"効かない制震"を選ぶな!

 

 

熊本地震以来、繰り返しの地震に備える意識が高まっています。

 

 

その対策の1つとして注目されているのが制震システムです。

 

 

だが、市販されている制震システムの中には「粗悪品が存在する」と識者は語ります。

 

 

曖昧な基準で製品を選んでいると、効かない制震で家づくりをしてしまいかねません。

 

 

善し悪しを見極めるために、システム全体、制震装置、配置・制震設計の

 

3つのポイントを押さえておきましょう。

 

 

 

記事のタイトル&目次のページ

 

 

 

 

 

 

 

 

本震に気付かず子供は安眠

 

 

4月に発生した熊本地震のように、大きな地震動を繰り返し発生した場合、

 

制震システムを採用した家はどのような状態になるのか。

 

 

その答えのヒントを探るべく、熊本地震に遭遇した制震住宅について

 

工務店やメーカーに尋ねました。

 

 

効かない制震を知る前に、大地震後の制震住宅がどうなったのかを見ておきましょう。

 

 

 

 

 

隣の実家は物が散乱

 

 

熊本市南区川尻に昨年10月に竣工したばかりの家に住むAさん(30歳代)一家は、

 

Aさん夫婦のほか、生後約半年と2歳の子供と共に暮らしています。

 

 

「今後50年以内に大地震が起こる確率の高さをニュースで知って、

 

家を建てるなら対策が必要と考えた」と言うAさんは、

 

ハウスメーカーや工務店をめぐり、地震への対応を比較検討。

 

 

最終的に制震システムを採用した住宅を建てるに至りました。

 

 

そんな家さんの家(A邸)を、2度の大きな地震が襲いました。

 

 

4月14日に熊本地方で発生したマグニチュード(M)6.5の前震と、4月16日のM7.3の本震です。

 

 

本震の際は、2階にある寝室で家族揃って寝ていたというAさん。

 

 

揺れがおさまってから被害状況を確認したところ、室内は物がほとんど倒れていなかったほか、

 

壁に目立つようなクラックも見当たりませんでした(写真1)。

 

 

翌朝もう一度被害状況を確認したところ、

 

「不安定な台の上に乗せていた液晶テレビが倒れていたのと、

 

冷蔵庫が2〜3センチ動いていた程度だった」と振り返ります。

 

 

ところが、すぐ隣に立つ影さんの実家では、

 

A邸とは対照的に、地震による惨状が広がっていた(写真2)。

 

 

 

 

【事例】熊本地震

上(写真1);A邸では棚から食器も落ちず、被害はゼロ

下(写真2);隣の実家では物が散乱

 

 

 

 

棚が倒れ、あらゆるものが床に散乱。足の踏み場もない状態です。

 

 

 

Aさんが住む熊本市南区川尻は、JR熊本駅から南に約6キロの距離にある地区です。

 

 

気象庁の発表によると、本心の際に近隣地区の城南町や富合町で震度6弱を記録。

 

 

だがAさんは、「すぐ近くに達造り酒屋の蔵では、酒造様の大きなタンクが本震で倒れた。

 

川尻では震度6強と感じたほどの強い揺れだった」と説明する。

 

 

 

 

 

塗り壁にクラックもなし

 

 

そんな大きな揺れを2回も受けていながら、なぜA邸では被害がほとんどなかったのだろうか。

 

A邸は間口が約5.5メートル、奥行きが約23メートルの細長い建物だ。

 

 

建築基準法の壁量充足率は、間口方向が1.19、奥行き方向が1.55。

 

 

 

住宅を施行した工務店のコンフォートハウス(熊本市)は、耐震等級2から3程度の壁量で、

 

偏心率も小さくすることを標準仕様としている。

 

 

そのため、A邸も細長い形状でありながら、耐震等級2に近い耐震性能が確保されていた(図1)。

 

 

 

(図1)細長いA邸は壁量充足率1.2程度の壁量と制震システムで地震対策

 

制震システム;住友ゴム工業「MIRAIE」(壁倍率5倍に相当)

 

※マツシタホームのMAMORieで標準採用しているものと同じものです。
 

 

 

 

制震システムは住友ゴム工業のMIRAIEを採用。

 

 

同社が2015年から標準仕様として採用しているものだ。

 

 

被害が小さかった理由の1つとして考えられるのが、建物の耐震性能が高いこと。

 

 

A邸の場合液量充足率が高いことに加え、

 

採用した制震システムがさらに耐震性を高めた可能性も考えられる。

 

 

制震システムは1階の壁内に4カ所設置している。

 

 

国土交通省の大臣認定を取得していないが、

 

同制震システムは1枚あたり壁倍率5倍に相当する。

 

 

このことを考慮し存在壁量を計算すると、A邸は耐震等級2の性能を上回っていたと考えられる。

 

 

だが、耐震性能だけでは説明がつきにくい現象がA邸では起こっている。

 

 

1つは室内のものがほとんど倒れなかったことだ(写真3)。

 

 

 

(写真3)本震後でも物の散乱はゼロ
 

 

 

制震システムは躯体の変形量を抑えるのが特徴だ。

 

 

免震のように、地震の揺れ自体を軽減するものでは無い。

 

 

ただ、壁が大きく変形しなければ、壁際の家具などが押し倒されることも少なく、

 

壁に作りつけた棚の揺れ幅が抑えられる効果も考えられる。

 

 

物が散乱しなかったことも説明できそうだ。

 

 

 

本震の際にAさん一家が2階で体験したことも、その裏付けになりそうだ。

 

 

「揺れは感じたものの子供たちは目を覚ますことなく寝ていた」とAさん。

 

 

2階では、制震システムが変形量を抑えた効果がより感じられた可能性も考えられる。

 

 

室内の壁の被害が、熊本地震での一般的な状況と比べると小さいことにも注目したい。

 

 

クラックが入りやすい塗り壁や、設備機器との取り合い部などは、

 

前震と本震の2度の大地震に遭遇していながら、ひび割れが生じなかった(写真4.5)。

 

 

 

 

(写真4)塗り壁に見当たらぬクラック

 

 

 

 

 

 

 

(写真5)天井に取り付けた換気設備の取り合いにも影響なし

 

 

 

 

 

Aさんは制震システムを採用したことについて、こう振り返ります。

 

 

「制震システムがあったことで、大地震後でも安心して住み続けられる。

 

もし無かったら、見た目は大丈夫そうでも、耐震性能に不安が残り恐くて住み続けられない。

 

ローンを組んで新築するのに、大地震後に怖くて住めないような家は嫌だ」

 

 

 

 

 

 

制震の効果ありと判断

 

 

地震後も住み続けられる安心感と言う点は、他社の制震システムを採用した住宅でも同様だ(図2)。

 

 

 

(図2)益城町でも制震住宅は住み続けが可能だった

上;B邸、制震はX-WALL(アイ・エム・エー)で壁倍率3.4倍

下;C邸、制震はTRCダンパー(住友理工)で壁倍率1.3倍

 

 

 

 

例えば、益城町で今年3月に竣工したばかりの家に住むBさんは、

 

「本震後は電気等が止まったため4日程度避難所にいた。その後自宅に戻り、生活を続けた」と

 

体験レポートに綴った。

 

 

益城町は、本震で震度7の地震動に襲われた宮園地区があるエリアだ。

 

 

大地震後、B邸では南側の横滑りだし窓の隅部にクラックが生じた(写真6)。

 

目立った被害はこの程度だったと言う。

 

 

 

(写真6)窓の隅部にクラックが発生
 

 

 

B邸は、福岡や熊本で注文住宅事業などを手掛ける悠々ホーム(福岡県大野城市)が建築した。

 

 

悠々ホームは相撲体の健康、安心、安全をモットーにした家づくりを目指している。

 

 

制震システムはその一環として、2013年から標準仕様とした。

 

 

採用した制震システムは、アイ・エム・エーのX−WALL(エックスウォール)。

 

 

同社は外張り断熱を採用していることから、

 

他の性能を犠牲にすることなく壁内を有効に活用できる製品を選択したと言う。

 

 

C邸は住友リコーの精神システム「TR強いダンパー」を採用した住宅だ。

 

 

B邸と同様に益城町に建ち、住まい手は地震後も住み続けている。

 

 

指定の被害調査は森林文化アカデミーの大原勝彦準教授が目視により実施した。

 

 

小原さんは、「2度の大地震後に応急聞き危険度判定で問題がなかったとみられるC邸と、

 

危険、要注意と判定されていた周囲の住宅。この状況は、過去に実施した日大振動実験の、

 

繰り返し地震での建物状況と一致する」と指摘する。

 

 

 

日大実験では、日本建築センター茂木波(BCJ-L2)の地震波に制震システムの試験体は7回耐えた。

 

 

だが耐力壁だけの試験体は3回も耐えられなかった。

 

 

実験結果としての状況を鑑みると、

 

「制震システムは効果があったと判断できる」と小原さんは言う。

 

 

 

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マツシタホームのMAMORieで標準採用している「MIRAIE」は、

 

熊本地震でも、素晴らしい効果を発揮したようです。

 

 

 

今回紹介されている他の2つの制震ダンパーの3.4倍、1.3倍に比べ、

 

壁倍率が5倍相当と、耐震性能そのものが高いのですが、

 

記事にはありませんが、他の制震ダンパーと大きく違う点として、

 

A型の形をした両足の部分が基礎に埋め込まれたホールダウン金物により

 

基礎と直接緊結されていることなんです。

 

 

 

A型の両足が基礎、A型の頂点が梁に緊結され、

 

長方形の建物が平行四辺形に変形する変形量を抑える仕組みなんです。

 

 

 

他の制震ダンパーは、柱、梁、土台などの木構造に取り付けられる野に対し、

 

この「MIRAIE」は、唯一の基礎緊結タイプなんです。

 

 

 

最も丈夫な基礎コンクリートと緊結し、高い壁倍率で揺れによる変形を

 

最大70%も軽減する(他メーカーの制震は最大50%が多い)「MIRAIE」は、

 

「最高の家をあなたに」のマツシタホームの家に最もふさわしい、

 

制震ダンパーだと考えています。

 

 

 

 

【その2】へつづきます。

 

 

 

 


 
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