2016.10.24 Monday

2000年に強化した現行の耐震基準は改正なしの結論【その1】

1週間ほど前に届いた日経ホームビルダーの11月号に、

表題のような記事が掲載されていましたので、ご紹介します。
耐震基準については、一般の方は誤解されている方が多いと思いますので、
もし、途中の難しいところは読み流したとしても、
最後のあたりは、ぜひお読みいただければと思っています。

 

 

記事のタイトル部分
 

 

 

2000年に強化した現行の耐震基準を維持する。

 

既存ストックを含め、現行基準が求める耐震性能の確保を目指す。

 

 

国道交通省は、この10月5日に開催した社会資本整備審議会 建築物事故・災害対策部会で、

 

熊本地震の建物被害を踏まえた方針をこのように示しました。

 

 

 

有識者をメンバーとする「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」が、

 

「現行基準の有効性を認める」と報告書に記載したことを受けて、

 

国土交通省として決定しました。

 

 

国道交通省が示した方針
 

 

 

 

10月5日の対策部会では、1981年6月〜2000年5月に完成した新耐震基準の住宅を

 

対象とする具体的な対策も説明されました。

 

 

日本建築防災協会が作成してい耐震基準法の一部を抜き出し、接合部の状況が現行基準に

 

適合しているかを効率的に確認する方法を作成することになりました。

 

 

16年度内をめどに取りまとめ、耐震診断マニュアルに反映させる予定です。

 

 

新築住宅に対しては、消費者がより高い耐震性能の住宅を選択できるように、

 

住宅性能表示制度の普及を推進する方針が掲げられましたが、

 

具体策は示されませんでした。

 

 

 

 

熊本県益城町での悉皆調査による木造の建築時期別の被害状況

新耐震基準は1981年6月〜2000年5月に完成したもの

※グラフの( )内の数値は棟数

 

 

 

 

 

 

委員会のメンバーがまとめ、9月30日に公開された報告書には、

 

熊本県益城町で実施した悉皆調査の最新データ(9月8日時点)が記載されました。

 

 

 

2000年6月以降に完成した319棟中2.2%(7棟)が倒壊、

 

319棟中3.8%(12棟)が大破(全壊と同意)となりました。

 

 

倒壊した7棟中3棟が、2000年基準の接合部の規定に適合していない

 

違反建築だったことも判明しました。

 

 

左グラフ・・・新耐震基準以降の住宅の筋交い端部金物

右グラフ・・・新耐震基準以降の住宅の柱頭柱脚金物

 

 

 

 

 

別の1棟は、敷地の崩壊と基礎の傾斜が確認されたことから、

 

地盤変状が被害原因とされました。

 

 

 

ただし、残る3棟については、高度な構造計算で検証したものの、

 

明確な被害原因が確認できず、原因の推定に留まってしまったため、

 

原因分析用の情報収集を続ける必要があると特記されたそうです。

 

 

 

このように、2000年基準そのものが倒壊の直接的な原因でなかったことから、

 

「現行基準は有効」との結論につながったと見られます。

 

 

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これ読むと、ちょっと待てよ・・・という気がしませんか?

 

 

現行の2000年基準で益城町に建てられた木造住宅のうち、

 

倒壊した7棟中、原因不明の3棟を除いた4棟が耐震基準以外の原因による倒壊だから、

 

「現行基準は有効」

 

 

 

つまり、建築基準法の耐震基準は、大地震で「倒壊しなければよい」なのです。

 

 

 

大地震時の「全壊」や「半壊」は耐震基準の想定内で、やむを得ないことであり、

 

人命を守るという意味で、倒壊しなければ安全に避難できるという考え方なのです。

 

 

 

家を建てる人からすると、それでは困りますよね。

 

 

 

マツシタホームの営業エリアでは、東日本大震災時に(液状化による地盤被害は除く)、

 

古い家は「全壊」や「半壊」の被害もありましたが、

 

新しい家では全くありませんでした。

 

 

 

そういったことから、「今の家は大丈夫」という意識が広がった気がします。

 

 

 

東日本大震災はプレート型の地震(海溝型地震)で、地震の振動周期が長く、

 

揺れた時間も長かったため、多くの地盤液状化被害をもたらしましたが、

 

住宅の構造被害をもたらすタイプの地震ではありませんでした。

 

 

 

それに対して、阪神大震災や熊本地震は直下型地震(活断層型地震)で、振動周期が短く、

 

このタイプの地震が構造被害をもたらすタイプの地震なんです。

 

 

 

マツシタホーム営業エリアでも、今度は構造被害をもたらすタイプの地震が

 

来ないという保証はどこにもありません。

 

 

 

もしも、そういうことがあった時に「倒壊しなかったからよかった」ではなく、

 

「被害がなくて良かった」でなければ困りますよね。

 

 

 

もっと言うと、「被害がなくて良かった」に加えて、

 

「また地震が来ても大丈夫」と思える耐震力を維持していないと困りますよね。

 

 

 

そのためには、現行耐震基準では不足なんです。

 

 

 

あくまで、耐震基準は、経済性なども加味した最低基準であり、

 

実際の耐震性能をどのくらいにするのかは、

 

建てる会社や、建主ご本人が決定するべきものなんです。

 

 

 

 

では、どこまで必要か?

 

 

 

引き続き、そこを書いていきたいと思います。

 

 

 

 


 
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