2016.08.04 Thursday

熊本地震の被害調査【その5-2日目4】

熊本地震の被害調査【その4-2日目3】 からの続きの記事です。

 

恐れ入りますが、前の記事をお読みいただいてから、読んでいただければ幸いです。

 

 

 

鉄骨3階建ての住宅。奥の幹線道路と右の道路の角地です。

奥の道路側に倒れかけたのをキャンピングカーがつっかえ棒の役目を果たし、

かろうじて倒壊を免れています。道路の向こう側にも倒壊が見えます。
 

 

 

 

倒れ掛かった建物を支えているキャンピングカーの写真です。

感心したのは、キャンピングカーのボディの強さです。日本車は薄い鋼板で

衝突の衝撃を吸収する技術が凄いですが、その分これは支えられないかも。
 

 

 

 

某超大手ハウスメーカーの鉄骨アパートが2棟中、2棟とも壊れていました。

入居者8世帯全て退去してもらって、1階をブルーシートで隠しています。

壊れてしまった状況と原因を探ってみます・・・
 

 

 

 

外壁が剥がれたのか剥がしたのか、外壁がなくて横に片づけられていました。

ブルーシートを剥がしたら、筋交いブレースがあちこち破断していました。

何が原因なのでしょうか?
 

 

 

 

ブロックとフェンスが飛び出しています。ここまで擁壁があったのですが、

地震で擁壁が倒れて横方向の揺れに対する地耐力が不足し、揺れが増幅し、

それにより建物の破壊につながったと考えられます。擁壁を甘く見た結果です。
 

 

 

 

もう少しわかるように写真を撮ればよかったのですが・・・数年前の同時期に

建ったと思われる5棟ですが、左2棟は無被害、右3棟は損壊しています。

左2棟は土留めがしっかりしていて、右3棟は倒れているか、なかったです。
 

 

 

 

高床式の建物で、車が半分入るタイプの車庫と思われます。

基礎が割れて、大きく開き、鉄筋が見えています。

なぜ割れてしまったのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

前の画像と同じ部分を前から見ています。昔の家によくある幅12cm程度の

鉄筋コンクリート基礎ですが、鉄筋のかぶり厚が不足気味なのと、

この高さで建物を支えるには、10mm鉄筋と12cm厚では心もとないです。

マツシタホームの家は、普通の高さの基礎でも、鉄筋は主筋が16mm、

その他の筋が13mm、基礎幅は16cmあります。

 

 

 

 

このように、ブロック土留めが倒れてしまっているところがかなり多く、

ブロックの倒れたところで、建物の被害が多かったです。

この建物は被害がなかったようで、がっちりしたベタ基礎が良かったようです。
 

 

 

 

この記事でご紹介した写真は、私たちが見た被害建物のうちの数十分の一程度で、

 

被害の全貌は、震源付近の古い家が建ち並ぶ地域は、本当に信じられないくらいというか、

 

戦争のときの大空襲を受けたらこんな感じなのではないかというくらいの状況で、

 

6〜7割の建物が大破・倒壊してしまっている状態でした。

 

 

 

1995年の阪神大震災を受けて2000年に改正された現行建築基準法で建てられた家が

 

どうなったかの被害調査を行うため、ここ十数年で開発された大型分譲地にも行ってみましたが、

 

現行基準法で建てられた家も、だいたい10棟に1棟以上は大破・倒壊している状況でした。

 

 

 

政府の調査でも、現行基準法で建てられた家は、木造・鉄骨のどちらも、約7%が大破・倒壊

 

しているとなっていましたが、一番被害の大きな地域では、もう少し多いのではという感じでした。

 

 

 

今回、熊本地震の被害調査を行って、被害の大きかった住宅と、被害がなかった住宅の違いを

 

調査してきたわけですが、かなり見えてきたと思います。

 

 

 

被害の大きかった建物には、はっきりした特徴がありましたので、それを書きます。

 

 

仝鼎そ斬陲糧鏗欧とても多かったです。被害のひどい地域での大きな被害の住宅は、

   古い住宅は6〜7割、新しい住宅は1割程度だったと思います。

 

建物の南側などに大きな窓が並んでいる、または店舗や車庫などで、大開口があって

   壁があまり配置されていない側に、建物が倒れこんだ被害が多かったです。

 

接合部の金物がない時代の住宅、また、新しい住宅でも、手抜きで接合金物がない

   住宅の被害が大きかった。

 

ご霑辰龍度不足が建物の被害を大きくしたと思われるケースも多かった。

 

ゥ屮蹈奪土留めが倒れたことが原因で、建物の揺れが増幅されて壊れたと思われる

   ケースも多かったです。

 

 

 

 

ここから言えることは、

 

◇2000年6月の現行基準法の前に建築確認を受けた住宅は基本的に危険です。

   早期に耐震診断を受け、耐震補強を行うべきです。

 

◇現行基準法以降の住宅でも、設計に無理があったり、手抜き工事があれば危険。

 

◇ブロック土留めは、本当に耐力があるのか、要注意である。

 

 

 

 

今回の被害調査では、以上のように期待以上の成果があったわけですが、

 

もっと大きな成果は、連れて行ったマツシタホームスタッフの意識が高まったことです。

 

 

 

私は、宮城県沖地震、新潟県中越地震を視察し、東日本大震災では東北を視察しました。

 

 

被害調査を行うことで、地震に強い建物を探るためでもありましたが、

 

私自身や、連れて行ったスタッフの意識を高めるためでもありました。

 

 

 

 

建築基準法の規制や社内基準を守ることは、安全上、非常に大切なことですが、

 

スタッフ次第で、安全性はそれ以上に高められるのです。

 

 

 

例えば、家の耐震強度ではなく、耐力壁の偏心率というのがあります。

 

 

もちろん、社内基準があるのですが、社内基準以上により安全側に設計するか、

 

基準を満たせばよいと考えるかは、設計担当次第です。

 

 

 

現場監督は、施工管理の徹底で手抜き工事を防ぐことができます。

 

 

また、職人への施工指導で、工事をより安全側に導くことができます。

 

 

 

 

今回の被害調査では、私と、本社と千葉の設計リーダーと、商品開発のサブリーダー

 

(商品開発のリーダーは私)と4人で視察してきましたが、今回の成果を鑑みて、

 

今回さらに現場監督など技術系の社員8名で再度視察してきます。

 

 

 

 

今回の視察では、今までの地震視察に比べて、

 

28時間の間に震度7が2回繰り返されたため、住宅の耐震性能の差が浮き彫りになりました。

 

 

 

現地調査の結果として、現行建築基準法は当たり前として、社内基準をどこまで高くするかと、

 

社内基準以上に少しでも耐震性能を上げようという意識を高められると思います。

 

 

 

熊本地震の被害調査で、全社員の約1/3の13人を連れていくことになりましたが、

 

私は、非常に意義の深い視察だと思っています。

 

 

 

 

7月21日でしたので、熊本地震から3ヶ月強経っていましたが、

 

それ以前は立ち入り禁止場所や車が入っていけない場所が多かったそうで、

 

また、遅すぎると、被害建物の解体が進んで、被害調査ができません。

 

 

 

今が絶好のチャンスですから、技術系社員をみんな連れて行ってきます。

 

 

 

政府調査のデータ検証の結果と、1回目の現地調査の結果で、

 

これまで建築基準法の1.5倍だった壁量を、2倍とすることに決まりました。

 

 

 

また、ブロック擁壁についても、厳しい社内基準を設けることになりましたが、

 

次回の視察では、施工管理の視点から、再度チェックをしてきます。

 

 

 

 

マツシタホームは、建てた後のランニングコストとメンテナンスコストが最も安さと、

 

安全性の高さでは、業界No.1を目指しています。

 

 

 

 

そのために必要なことを、次回の視察でも必死で探してきます。

 

 

 

 

マツシタホームのコーポレートメッセージである

 

「最高の家をあなたに」を実現するために。

 

 

 

 


 
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