2016.07.28 Thursday

熊本地震の調査報告から【その2-簡易な液状化予測の限界1】

熊本地震では、熊本市内を中心に地盤液状化が多発しましたが、

 

地震前に熊本市が公開していた液状化ハザードマップで、

 

発生リスクが高い予測だった場所以外で、被害が続出しました。

 

 

 

また、住宅の地盤調査のほとんどで採用されているスウェーデン式サウンディング(SS)試験の

 

結果を基にする簡易判定では、予測できない場所もありました。

 

 

 

今日も業界専門誌の日経ホームビルダーの記事からです。

記事のタイトルは「簡易な液状化予測の限界を露呈」

熊本市が住宅の地盤調査で採用されるスウェーデン式サウンディング(SS)試験を基に

行った液状化簡易判定では予測できない場所がありました。
 

 

 

 

熊本市立日吉小学校で開催された、液状化被害の勉強会の様子。

日吉校区自治協議会が主催し、200人を超える住民が集まった。

傾いた家の修復方法の説明の他、公的支援を求める取組み等を話した。
 

 

 

 

日吉・力合校区の被害状況。

全壊は家の傾きが1°以上、半壊は0.5°を超え1°以下の傾斜、

一部損壊は0.2°を超え0.5°以上の傾斜。

被害なしはわずか3.8%、ほとんどの家が傾いてしまっている。
 

 

 

 

熊本市近見の旧道沿いでは、店舗の移転が目立ちました。

液状化で建物が傾き、営業できなくなったためです。避難者も多い。

日吉校区自治会連合会会長は、「このままでは過疎化してしまう。

行政は再発防止のための地盤補強工事を検討してほしい」と訴える。

 


 

 

 

熊本地震前に作成していた、熊本市の液状化ハザードマップ。

複数の地震を想定し最大の危険度を荒いメッシュで表示している。

色がついている地域は液状化の危険度が極めて高い地域で、

赤は最上位、ピンクは下位。赤い色の左は海です。
 

 

 

 

液状化被害の実際の発生個所。ハザードマップで赤の地域だった、

危険度が最上位だった地域以外で被害が多数発生しており、

逆に最上位の地域では海沿いの数か所だけだった。

 

 

 

 

 

液状化被害の調査が進むにつれ、被害の深刻さや課題が明らかになってきました。

 

 

日吉校区自治会協議会と、日吉商工会が、

 

南区の近見、日吉、草刈地区などで実施した調査によると、

 

液状化で家の傾きが1°を超える全壊が25%、0.5°を超え1°以下の半壊が34%、

 

0.2°を超え0.5°以上の一部損壊は35.8%に達していた。

 

 

被害なしはわずか3.8%、ほとんどの家が傾いてしまっている状況でした。

 

 

 

同協議会が6月25日に主催した液状化に主催した液状化被害の勉強会には、

 

200人を超える住民が集まり、翌日には南区液状化復興対策協議会を立ち上げました。

 

 

 

熊本市が地震前から公開していた「液状化ハザードマップ」でこれらの地区を見ると、

 

液状化の発生リスクが「極めて高い(最上位)」に該当していませんでした。

 

 

 

逆に、液状化の発生リスクが極めて高い(最上位)に指定されていた中で、

 

実際に液状化が発生したの海沿いの数か所だけだったそうです。

 

 

 

市内の南側半分を「極めて高い(下位)」に指定していたにもかかわらず、

 

液状化が発生したのはその一部にすぎませんでした。

 

 

熊本地震は、液状化ハザードマップがあてにならなかったことを露呈しました。

 

 

 

 

 

1995年の阪神大震災を受けて、2000年6月に耐震基準が大幅に改正されました。

 

 

建築物の基礎の構造は国土交通大臣が定めた方法にしなければならないことになりました。

 

 


その定めた方法として地盤の長期許容応力度に応じて基礎の種類を選ぶことになり、


長期許容応力度を算定するために地盤調査を行う必要があることから、

 

実質的に地盤調査が義務付けられました。
 

 

 

そして、戸建て住宅の地盤調査で、圧倒的に採用されているのが、

 

前述のスウェーデン式サウンディング(SS)試験です。

 

 

 

その理由は、SS試験は建物の4隅と真ん中の5か所を行って、

 

コストが3万円前後と安いことです。

 

 

 

ビルやマンションでは、より精度の高いボーリング調査が採用されていますが、

 

コストが1か所30万円程度かかります。

 

 

 

これを建物の4隅と真ん中の5ヶ所行うと120万円のコストになってしまうため、

 

SS試験というのは仕方ないと思います。

 

 

 

しかし、SS試験では、液状化についてはあてにならない「簡易評価」しかできません。

 

 

 

だから、マツシタホームでは、東日本大震災時に液状化の被害があった、

 

または東日本大震災の結果を見て、液状化の被害の可能性がある地域では、

 

建物の4隅のSS試験に加え、建物の真ん中で簡易ボーリング調査を行っています。

 

 

 

簡易ボーリング調査とは、自動ボーリングマシンという機械を使用し、

 

液状評価のために必要な土質サンプルを採取し、

 

液状化の「詳細評価」を行うためのものです。

 

 

 

ボーリング調査による液状化の詳細調査の正確性については、東日本大震災後に

 

国土交通省でその評価のための調査が行われ、ほぼ正確に評価できていたとの結果が

 

出ています(国土交通省のHPで公開されています)。

 

 

 

マツシタホーム以外では、液状化の可能性が高い地域、または可能性がある地域でも、

 

ボーリング調査はほとんど行われていません。

 

 

 

今回の熊本地震後の液状化調査では、やはり、ボーリング調査が必要であったという、

 

マツシタホームの取り組みが正しかったという結果が出たと思います。

 

 

 

ボーリング調査をやったから解決できるわけではなく、

 

それに対する対策ができたかどうかが最終結果ではありますが、

 

まずはどのような可能性があるのかをきちんと知ることが、

 

安心・安全につながるのは言うまでもないことだと思います。

 

 

 

これからも、同業他社の動向にはとらわれず、

 

最高の家には安全・安心が求められるという信念のもと、

 

必要なことをしっかりとやっていきたいと思います。

 

 

 

 


 
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