2016.07.27 Wednesday

熊本地震の調査報告から【その1】

実は、マツシタホームの本社設計課、千葉設計課、生産管理課から各1名と私の4名で、

 

1泊2日で熊本地震の被害調査に行ってきました。

 

 

 

被害の最もひどかった益城町を視察しましたが、地震から3か月以上が経っているものの、

 

倒壊したまま手つかずの家が大半という感じでした。

 

 

 

とにかく猛烈な被害で、古い家が並ぶ集落では、見渡せる家の大半が倒壊しているところもあり、

 

最初に見た時には、私たちみんな言葉をなくしてしまいました。

 

 

 

被害にあわれた方のことが思い浮かび、恐ろしい気持ちにもなりましたが、

 

これも必要な調査だと気力を振り絞って、調査をしてきました。

 

 

被害者へのお見舞いの気持ちで、少ないながらも益城町役場に義援金を届けてきました。

 

 

 

どのような家が倒壊し、どのような家は被害がなかったか、それを今後の建築に生かす目的と、

 

また、地震対策に対する意識を高めるためにも行ってきたのですが、

 

どちらも大きな収獲があったと思います。

 

 

 

この時の写真は今まとめている最中なので、後日、ご紹介したいと思います。

 

 

 

 

今日は、業界専門誌の日経ホームビルダーに、

 

熊本地震の国の被害調査結果についての記事がありましたので、

 

それをご紹介したいと思います。

 

 

 

記事のタイトル「木造倒壊率は阪神を上回る」です。

熊本地震による建物被害が集中した熊本県益城町で、

日本建築学会が建物被害の割合を調べていた

悉皆調査の新たな情報が公開されたという記事です。

 

 

 

 

 

国土交通省開催の「熊本地震における建築物被害の原因調査を行う委員会」

第2回が6/30に開催された時のデータ。建築基準法の現行基準(2000年基準)で

建てられた木造242棟の内、倒壊が7棟(2.9%)、大破が10棟(4.4%)ありました。

 

 

 

 

 

 

阪神大震災で被害が大きかった神戸市中央区で実施された悉皆調査の結果。

日本建築学会兵庫県南部地震被害調査WGがまとめた情報と固定資産台帳の

情報を突き合わせて集計したものです。新耐震基準(1981.6〜)の倒壊は

7.7%だったが、熊本地震では9.1%に達した。


 

 

 

 

日本建築学会の悉皆調査情報と建築確認台帳や過去の航空写真と突き合わせ、

木造以外も含めた調査結果の建物被害の集計。この表はHPから持ってきました。

1981年以前の旧耐震基準、1981年以降の新耐震基準、現行基準に分類した。

現行基準でも木造の7.0%、鉄骨の7.1%が大破以上となっています。

 

 

 

 

 

ここからは、新耐震基準(1981〜)もしくは現行基準(2000年基準)で建てられ、

倒壊した木造住宅99棟を分析した調査報告からの内容です。

注目点は、2000年基準を満たしていない接合部が多数見つかったことです。

特に多かったのが柱頭柱脚金物でなんと90.9%。恐ろしい。

 

 

 

 

 

こちらは前の画像と同じ調査で、筋交い端部金物の状態のグラフです。

こちらは、51.5%です。すごいです。調査結果からは、接合部仕様が

不十分であるために、地震動により接合部が先行破壊し、耐力壁が有効に

機能しなかったことが、被害を大きくした要因の一つと推定されます。
 

 

 

 

同じ調査で、平面・立面の不整合や、燐家の倒壊による衝突など、

接合金物以外の倒壊要因を持つ住宅も、全体の3割強もあった。

接合金物と合わせて、大半の家が、現行基準からの耐震性能不足、

または設計の配慮不足があったということになります。
 

 

 

1981年6月以降の新耐震基準以降に建てられ、熊本地震で倒壊した家のうち、

 

柱頭柱脚金物が2000年基準を満たしていなかった家が90.9%、

 

筋交い端部金物が2000年基準を満たしていない家が51.5%です。

 

 

 

この中間報告では、倒壊した99棟が2000年基準に該当するか、

 

2000年基準以前の新耐震基準に該当するかは分類していないので、

 

そこは次回、9月の倒壊原因の最終報告を待ちたいと思います。

 

 

 

いずれにしても、現行の2000年基準の接合金物を満たしていない家が圧倒的なので、

 

1981年6月〜2000年5月までの新耐震基準で建てられた家は、

 

熊本地震クラスの地震に対しては、非常に危険だという結果だと思います。

 

 

 

1981年6月〜2000年5月の新耐震基準の建築確認申請で新築した家は、

 

耐震改修を検討するために、まずは耐震診断を行うべきだと考えます。

 

 

 

ただ、残念なのは1981年5月以前の旧耐震基準の家を耐震改修する場合には、

 

補助金が出る市町村が多いのですが、

 

1981年6月〜2000年5月の新耐震基準の家の耐震改修に補助金が出る市町村は、

 

ほとんどありません(全国で数えるほどしかない)。

 

 

 

実際には、2000年6月以降の現行基準で建てられた家も、

 

木造の7.0%、鉄骨の7.1%が大破以上となっていますので、

 

現行基準であれば大丈夫という訳ではありません。

 

 

 

今回の調査報告は、倒壊原因の報告で現行基準と新耐震基準の分類がなされていため、

 

詳細な検討は9月の最終報告を待たないとならないかもしれませんが、

 

私たちの現地調査は大掛かりな調査ではないため統計的にこれだとまでは言えないものの、

 

現行基準の家で被害があった家の傾向はつかめたと思っています。

 

 

 

マツシタホームのこれまで建ててきた家は、

 

私たちが現地調査してきた被害住宅の傾向はありませんが、

 

被害住宅の傾向からより遠ざける努力をしていこうと考えております。

 

 

 

既に、壁量をこれまでの建築基準法の1.5倍以上(住宅性能表示制度最高等級)から、

 

2倍相当に引き上げることが決定しました。

 

 

詳細を検討中のものを含めて、他にも何点か改良点があります。

 

 

 

現地調査の結果を踏まえて、業界で一番安全な家を目指して、改良を続けます。

 

 

 

 


 
calendar
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
2627282930  
<< April 2020 >>
最新記事
categories
archives
ブログ内検索
others

(C)Matsushitahome Co.,LTD All Rights Reserved.